“治療”が終わって、私は全裸のままでお風呂場に向かった。
熱いシャワーのお湯を頭から浴びて、一人で震える身体を抱きしめる。
「はぁ……」
髪を顔に張り付けて、全身の汗を洗い流しながら──私はため息を吐いた。
──夫婦のベッドで、夫のいない間に先生を連れ込んでセックスをしてしまった……。
しかも、あんなに強くイカされて、こんなにも大量に中出しされて……。
股を開いてアソコに指を入れてみると、ドロッとしたオスの体液が流れ出してきた。
どれだけ掻き出しても効果がないことは分かっている。
彼の長いペニスは、最後の方には子宮の内側にまで入り込んできていたのだ。
きっと私の指なんかじゃ届かないところにまで、彼の精子はべったりとこびりついてしまっているはずで……。
あとは生理のときに、下り物と一緒に自然に排出されるのを待つしかない。
「……く……」
私はうつむいて目を閉じた。
──この熱いシャワーのお湯が、嫌なことは全部流していってくれたらいいのに。
そう思いつつ、身動きもせずにじっと激しい水流に打たれ続けていた。
と、そのとき。
背後でごそごそと音がしたかと思えば、次の瞬間には、
──ガチャ。
風呂場のドアが開いた。
そして、奥から全裸の先生が姿を現したのだった。
「奥さん、私にも汗を流させてくださいよ」
彼は満面の笑みを湛えて、嬉しそうに言う。
「──アアンッ! アハンッ! アハンッ!」
風呂場の中に、バチュバチュと派手な音が響く。
私は壁のタイルに両手をついて、立ちバックで後ろから犯されていた。
壁にかけたシャワーからは今も熱いお湯が出ていて、私は頭から顔にかけてそのお湯を浴びながらお尻を突き出しているのだった。
先生は私の顔にべったりと張り付いた髪の毛を手でかき上げてくる。
額に張り付いた髪も、頭を撫でるようにして全部後ろへと流される。
ぴったりとオールバックにされて、そのまま激しく強制交尾をさせられてしまう。
首、乳房、お腹、股間の茂み、そして太もも──先生の手は私の身体の前面を上から下まで何度も撫で回してきた。
もちろん、後ろからは尻肉が形を変えるほどの突き込みを続けたまま。
「どうですか奥さん。旦那さんにもたまにこんなことされてると言っていましたね。ほら、旦那さんのお風呂場セックスと、私のお風呂場セックスはどっちの方が気持ちいいですか? ほら、ほらっ」
「ングアッ! ンンンッ! ンクッ、アハンッ!」
「いい感じ方ですね奥さん、やっぱり旦那さんよりもずっと大きなチンポで交尾されると、メスとしてはたまらないんじゃないですか」
「イヤあッ……やめてんっ、あんっ、言わないでっ、アンッ、ンハアァッ!」
ガクガクと足が震えて、立っているのもやっとの状態。
アソコからは愛液を垂れ流し、足元をびしょびしょに濡らしながら何度もイク。
「ああ、奥さんすごい。またイキましたね。もうこれで何回目ですか。そんなに旦那さん以外の男と浮気セックスをするのが好きなんですか? 旦那さんの留守中に生中出しされるのがそんなにいいんですか? いやあ、奥さんは最低ですね。最低の人妻じゃないですか。他人のチンポでよがり狂う妻をもらってしまった旦那さんが哀れに思えてきますよ」
先生はそう言いながらもラストスパートをかけてくる。
私はひんやりと冷たいタイルの壁に、顔と乳房を押し付けられていた。
大股を開いて逃げることもできない私の股間に、彼は渾身の突き込みを見舞ってくる。
バチュバチュバチュバチュバチュ!
「ンあアアゥアッ! イクッ! イクッ! またイっちゃ──ングアアアアッ……!」
タイルに反射した自分の絶叫が、四方八方から襲い掛かってくる。
私は自分の嬌声を全身に浴びつつ──白目を剥いて全身を痙攣させた。
「あの、先生……いつお帰りになられるんですか……?」
時計の針はすでに夕方の六時を指している。
先生は服を着て、ソファーに座ってテレビを見ていた。
新しく着替えた私は、彼の前にお茶を置く。
「いつって、もう少ししたら帰りますが」
不思議そうに私の顔を見て言う。こちらの言いたいことが分かっているのかいないのか……。
仕方なく、私ははっきりと口にした。
「あの、もうすぐ夫が帰ってくるんです。ですから……」
お願いだから帰ってください──。
そう言いたいのはやまやまだったが、お医者様相手にそんなことを口に出すのはためらわれる。
彼は私の顔も見ずにお茶をすすり、
「そうですか」
とだけ呟く。
が、すぐに思いついたという顔をして声を張った。
「いや、そうですね。では旦那さんが帰ってくるまで待っていましょう。大切な奥さんを預かる医者として、一言挨拶ぐらいしておいても罰は当たらないでしょう」
私は驚きのあまり、あんぐりと口を開けてしまう。
「えっ、先生っ、それはっ……」
それはやめてください──。
そう言いそうになって、ふと思ってしまう。
──何がやめて欲しいのだろう、と。
まるで何かやましいことがあるような言い草だ。
そう、まるで浮気相手と夫がかち合ってしまうかのような……。
そんなこと、あるわけないのに。
確かに──私は先生に何度も抱かれて、何度もイカされて、何度も中出しされてきた……。
けれど、それは元はと言えば、すべて夫のためなのだ。
彼との子供が欲しいから、嫌々ながらがんばっている“治療”なのだ。
ただ“治療”を施してくれている担当の先生が、夫と会うことに何の問題があるのか。
「……」
きっと私が拒絶しても、先生もそう言って私を説得してくるに決まっていた。
そして私の方も、結局は彼の言うことを聞いてしまうことになるのだ。
それなら……最初から先生の言うことやることには口を出さない方がいいのだろうか。
黙ってうつむく私に、彼はやさしく言葉を投げかけてくる。
「大丈夫ですよ。私は愛し合う夫婦の仲を壊すようなことは、決してしませんから」