男が目の前で服を脱ぎ始めた。その手がズボンのボタンを外して、ジッパーを下げる。
本当なら、こんな光景は見たくもない。それなのに、今の私は……男のその行為から目が離せずにいるのだった。
ズボンが終わると、男は次にパンツも下ろす。勃起したペニスが、ぶるん! と勢いよく飛び出してくる。充血した肉棒はひくひくと脈打ったまま、天井を指して揺れる。
じっと見つめていてはいけないと思ってはいるのだが、やはりどうしても目が釘付けになってしまう。
口の中に唾が溢れる。私はごくりと音をたててそれを飲み下した。
(なんだ……どうしたんだ私……。……こんな奴の裸なんか、見たくもないはずなのに……。こんな……中年オヤジの……汚い身体なんか……。こんな……たくましい……カラダ……)
──くっ。
──だめだ。完全にクスリに流されている。
負けるな。気をしっかり持て。──目の前にいる男は、お姉ちゃんのカタキなんだ……。私が殺すべき、唯一の敵なんだぞ……。
「んん? なんや、どうしたんや……。ワシのカラダがそんなに気になるか? 見たいか? ははっ、こんな興奮した状態で男のカラダ見せられたらたまらんいう顔やな……。またアソコがきゅんきゅん泣いとんのと違うか」
男が私の視線に気が付いて、意地の悪い言葉を並べた。
「──っ、だ、誰がっ──」
「ほう。まだ素直にならんか……がんばり屋さんやなぁ、美由紀は……。ほなもう一回確認してみよか……」
男は臭い息を吐きながら、再びパンツの中に手を入れてきた。ぬぷぬぷと音をたてながら陰唇を弄ぶ。
「ほら……オマンコとろとろに溶けきっとるやないか……。ええ? もうたまらんのやろ? こんな状況で強がることあらへんがな……。な、美由紀ぃ……。おまえが泣いて頼めば、入口だけやのうてこの中──奥の奥まで全部かき回してやってもエエんやで……」
「……く……あ……は……誰が……んく……」
全裸の男性が、体温を感じ取れるほど近くに寄り添っている。彼の手が自分の秘部をなでまわしている。そのことが、さらに感度を高めてしまっている気がした。ここに来て、今日一番の気持ちよさが襲いくる。
「ん? 欲しくないんか? もっと気持ちよくなりたないんか?」
しかし、もちろんそんなことを悟られるわけにはいかない……。
「誰が……おまえなんかに……く……」
「なんや、そうかぁ。残念やなぁ……。ワシもビンビンに勃起したチンポどうにかしたかったんやけどなぁ……。美由紀さえよければ、トロマンにがっつりハメ込んでズッコンバッコンど突きまわしてやろう思うてたのに……絶対気持ちエエと思うんやけどなぁ……イキまくれる思うんやけどなあ……」
──ああ……。
男は私が限界まで興奮しきっているのを見抜いているのだ。わざといやらしい言葉遣いをして、理性を吹き飛ばそうと考えている。
──負けるな……こんな奴に……。
私は下半身に力を込めて、ヒクつくヴァギナとアナルを抑えこむ。
「……ほなしゃーないから、かわりに乳首でも吸わせてもらおうか……」
ずるっ。
力任せにブラをたくし上げられる。左右の乳房がすべてあらわになった。
乳首はすでに痛いほど勃起してしまっている。通常をはるかに越える感度のまま──男の前にさらけ出される。
いやらしく舌を伸ばした男が、そのまま乳首めがけて顔を近づけてくる。
──ぴとっ。ぺろっ。ちゅるる。
「……ふあああんっ!」
カラダに電気が走った。
予想以上の快感に、わずかだが尿を漏らしてしまう。愛液に混ざって分からないとは思うが、恥かしさのあまり顔が真っ赤になる。
敏感な反応に気を良くした男は、上目遣いに私の顔を見ながら、さらに激しく舌を転がしはじめた。
「……くぁ……んふぅ……はあっ……!」
──き……気持ち……いい……。
胸でこんなにまで感じることができるなんて……知らなかった。
無意識のうちに腰がグラインドする。前後、左右に、なまめかしく。
「……もう全部いらんな……」
男はそう言うと、床に捨ててあった私のサバイバルナイフを拾い、ブラとパンツを切りとってしまう。
そして私はあっけなく全裸にされた。
カラダが異常なまでの興奮状態にある、そのことがもう隠せない。ネバつく愛液は、私の股間と床を粘液の糸で繋いでいるのだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……あああっ」
左の乳首を右手でつねられて、右の乳首はコリコリと歯で軽く噛まれる。
気持ちのよさに一瞬頭が真っ白になる。その瞬間、不覚にもおしっこを漏らしてしまった。先ほどよりも多く。今度はごまかせない量だった。びちゃっという音を立てて、床に飛び散った。
「……んふぅ……ん……」
「ほら、どや。アソコの中掻いて欲しないか? 掻いたろか?」
「……黙れ……」
「我慢強いなあ……美由紀は何でこんな我慢するんや……気持ちようなったらエエがな。減るもんやないで……ちゅる、ちゅぱっ、ぢゅるるるる」
「……んはっ! っあは……はあ……はっ……! ……あふっ……!」
男はその後、何十分も飽きることなく両乳首だけを責め続けた。
──アンタの思い通りにはならない。お姉ちゃんのカタキを取るんだ。そのためだったらどんなことをされたって平気だ。覚悟してろ──。
私は喘ぎ、途切れ途切れの呼吸の中で、そんなことをうわごとのように繰り返すしかなかった。
[ 2012/01/07 02:33 ]
姉のカタキは女殺し |
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