夫は床に倒れてぐったりとしている、壁に背中を預けて、両足を投げ出して。口元からはまだ血が滴っている。
立ち上がる気力はない様子。ぼうっとした目つきで、私の方を見ているだけだ。
周りには屈強な男たちが立っていて、もしも夫が助けに来ようものなら、すぐにでも取り押さえられる形になっている。
もしそんなことになれば、今よりさらに酷い怪我をしてしまうことになるのだろうが……どうやらその心配はないようだった。
夫はもはや指の一本さえ動かせないようなのだ。荒い呼吸に胸を上下させながら、薄目を開けているのが精一杯といった感じ。
フロア中央には、ソファーで簡易ベッドが作られていた。
簡易──と言っても、もともと大きなソファーだったので、それが四つもくっつけられるとキングサイズの立派なベッドと化してしまう。
そして私は、その上で……ストリップをさせられていたのだ。
周りの人間はほとんど私の行動に注目しているが、店のスタッフまでもが手を止めているわけではない。音楽は途切れることなく鳴り響き、照明もチカチカとうるさい。
そんな中で、身に付けているのもを一つ一つ外して……全裸になる。
あまり恥ずかしさはなかった。最初から裸に近い格好だったし、最近ではそんな格好しかしていなかったから。
普段と違うのは、乳房と股間が露出していることだけ──あとはいつも通り、という感じなのだった。
まあ、外見だけではなく、内面までビッチになってしまった私なのだ。これぐらいのことでは動じない。逆に、男たちの好色な視線をこれほど浴びたのは初めての経験で──股間をビショビショに濡らしていたぐらいなのである。
「おお……すげぇや……姉さん」
いつもはケンジやユウイチがいるので、やりたくてもできなかった女。そんな女が今日はヤラせてくれるのだという。
普段から若いギャルたちを抱き慣れているはずの男たちでも、興奮が止められない様子だった。
彼らは砂糖に集るアリのように、私の肉体に群がってくるのだ。
そうして私は、夫の見ている前で男どもに食われようとしていた。
けれど私だってもう、エッチが大好きになってしまっていたから……こんな状況でも嬉しくなってきてしまう。
汗に光る小麦色の裸体をくねらせて、男たちの目を楽しませていく。
だんだんと手が伸びてきて、揺れ動く乳房やお尻を鷲掴みにされる。足にも何本もの腕が伸びていて、もう足踏みすることさえできない。
最終的には、私の立つソファーの周りにだけ、男の海ができていた。いくつもの頭と、その倍の腕、さらにその倍以上の指たち──それらに、踊り疲れた女体を揉みほぐされていく。
ソファーの上からは、壁に背を預けて床に座り込んでいる夫の顔までがよく見えた。
目を腫らして、放心したように力なく手足を伸ばしきっている彼。何を思っているのかは、表情からは読み取れなかった。
誰かが、「今日はもう店閉めるから、ケンジもユウイチも来ない」と叫んだ。男たちが、「朝まで楽しもうぜ」と歓喜する。
待ち切れなくなった何人もの不良たちが、服を脱いで私に襲い掛かってくる。
それが、壮絶な輪姦ショーの始まりとなった。
夫の見ている前で、犯された。
フロアの中央、お立ち台のようになったベッドの上でバックから。
上下左右から、入れ代わり立ち代り男たちが群がってくる。彼らは全員が、自慢のペニスを勃起させていた。
口にもアソコにも、乱暴に生殖器が突き立てられていく。余ったものは私の手に押し当てられたり、わき腹に突き当てられたりしている。
洋服だけではなく、着けていたアクセサリーの類まで全て外し取られていた。
一応はずっと着けていた結婚指輪──それも一人の男に抜き取られてしまった。
その彼は、指輪を外す時にわざと夫の方に顔を向け、「お前の嫁が俺たちのモノになるのをしっかりと見ていろ」と大声で告げていたのだ。
結婚指輪は今、夫の方へと投げ捨てられて床に転がっている。
ベッドの上で牝犬の格好。
濡れてヒクつくお尻の穴まで丸出しである。
そんな体勢のまま、背後から背の高い筋肉質な男性に抱かれ、しっかりと腰を持たれて激しくピストンを食らう。
ある時は下からアソコを突き上げるように刺激され、そしてまたある時は尻に乗るような感じで上から剛直を落とし込まれる。
「ああっ……いいッ……気持ちいいッ! もっと突いてッ! そうっ! うまいよッ! アンッ、最高ッ! うんッ! そうッ! そこッ! あ、当たるッ! 当たるッ! 当たって、るうぅぅぅッ……!」
ケンジとユウイチに調教されまくって、セックス中毒のようなことになっていた私なのだ。
夫の見ている前だというのに、しかもこれほど大勢の男たちを相手にするのも初めてだというのに、私は一人一人との交尾を存分に堪能してしまっていたのだ。
いや、いけないとは思っている。思ってはいるのだが……周りを取り囲んでいるのが、普段からセックスの自慢話をしているような奴らなのだ。若い不良ペニスは、たくましい上に女を熟知していて……。
「アンッ! イクッ、イクッ、またイクッ! またイッちゃうよッ! アアアッ! アアアアアンッ!」
官能の炎を焚きつけられて、もうどうしようもない。
興奮と快楽が高まっている最中にろくな思考ができないことは、男でも女でも同じだった。
目の前に突き出された勃起ペニスに、無意識のままでしゃぶりつく。
口元から汁が滴り落ち、じゅるじゅるといやらしい音が、この爆音の中でも耳に聞こえた。
「あんおおぉぉ……あむおおおぉぉ……」
股を広げ、穴を広げ、身体を震わせ、声を震わせ──私はまたしても一匹の牝へと堕とされていく。
夫が見ているのも構わず、いや、夫が見ているからこそ、淫靡に腰を振る。
ペニスが高速で出入りしている腰を振り乱すのだ。強烈な刺激が膣内に荒れ狂う。
健康な女体は、精液が欲しいと切なさをどんどんどんどん増していく。
私はたまらずに涙を流して懇願していた。
「出してえぇ……お汁出してぇ……。飲ませて……あなたの精子……アソコに飲ませてぇ……」
「あひぁッ……あふぇ……アヘア……オチンチン最高ぉ……。もっと崩してぇ……わらしのオマンコ……ぐじゅぐじゅ溶かしてぇ……」
「頂戴♪ 頂戴♪ チンポ汁いっぱい……頂戴ッ! あふうううッ……! あふううぅぅぅぅ……! スゴ……イ……」
「……あああ……で、出てる……チンポ汁……臭い、汁が、いっぱい、出て、染みて、あぐあああっ! いぐ、いぐ、いぐ、いぐ、いッ──ぐうううううぅぅッ……!」
「あひゃあ、んはぁ……あ、もう……また? またイク? アンッ、激しッ、アンッ、ギモヂイイイッ──あがっ、ンフッ、いぐ、いぐ、いぐ、いぐ、ぎう、いぐ、いぐううううぅぅぅッ……! ンフウウウウウウウウウウッ!」
二十人では済まなかったと思う。
それ以上の男たちに、私は犯し尽くされた。
夫の前で気持ちいいと連呼して、オチンチンいっぱい頂戴と叫びながら、全員に中出しを食らった。
夫には変わり果てた姿を晒して申し訳なく思う。
が、これこそが本当の私の姿だったのだ。
私は、犯されているあいだ中、決して嫌ではなく──むしろ自分からペニスをしゃぶり、お尻を振って性交の快楽を貪っていた。
本当の自分を夫に見せつける快感も、確かに感じていたのだ。
そんな私を、夫は黙って眺めていた。
彼が何を思っていたのかは分からない。
けれど、私はまた新しい精液を子宮に注ぎ込まれながら──「ついに終わったのだ」と痛感していた。
今まで好き勝手に遊んできたツケを、今まさに支払わされているところなのだと。
「中で出すぞッ……たっぷり飲み込めッ……!」
何人もの男にイカされて敏感を越えた膣内。もはやそこは、精液をビシュビシュと打ち付けられただけで絶頂に痙攣するのだ。
子種が噴射する勢いだけで、また私は息も出来ないほどイカされてしまう。
「あが……あ……あふ……ぁ……」
ぐったりとする私の身体に、また別の男がしがみ付いてくる。彼は勃起ペニスを膣にヌルリと埋め込むと、私の双乳を鷲掴みにして上体を起こした。
股を大きく広げた、膝立ち上体での後背位。
一段と高くなっているソファーベッドの上からは、夫の姿がよく見えた。私は彼と目を合わせながら、また若々しく乱暴なピストンに全身の肉を震わせていく。
「ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! アハンッ! もう、ス、スゴイッ! まらッ! まらッ──イクッ! イクッ! ンフウウウウウゥッ……!」
離婚する時、一回家に帰れるかなと思った。