一筋縄ではいかない。そのことを、私は身体中で痛感させられていた。
六車は淫虫症の人妻に自分からセックスのおねだりさせようと、いやらしい指とおぞましい舌、そして下品な言葉遣いで──追い込みを掛けてきたのだ。
「やめてくださいってば、もうっ……んんんっ」
すでにソファからは立たされていた。
彼も立ち上がり、前から後ろから私の身体に密着してくる。
つり革に掴まっていないだけで、まるで電車の中で自由自在に身体を触られてしまっているような状態。
お互いにまだ服は一枚も脱いでいないというのに……辺りには濃厚な性臭が立ち込め始めていた。
六車が、私のスカートの中に、下から手を突っ込んできた。
太ももはさっきまでさんざんこねくり回していただろうに、まだ揉み足りない様子である。
人妻の柔肌を堪能するかのような、欲情にたぎった淫猥な手つきで生足の柔肉をしごきにかかる。
「あくぅ」
キメ細かな表面の肌に指をなぞらせ、女体のなめらかさを確かめてくる彼。
白い肉を押し込んで、瑞々しい弾力まで確かめられてしまう。
「奥さん……奥さんの生足、ずっと触ってみたかったんですよ。こんなに柔らかいんですね。スベスベしてて……ああ、気持ちいい」
耳元には臭い息とともに、欲望そのままのセリフが叩きつけられる。
淫虫の媚薬で参っているからか──そんな言葉の一つ一つにも、私は足をくねらせて身悶えてしまう。
「ほら、痴漢されてますよ。奥さん、逃げなくていいんですか? 下半身、僕に触られ放題になってますけど。ほら、ねぇ、ねぇって。それとも……もしかして、僕に触られたかったんですか?」
「くぁ……」
逃げられる訳がないのだと知りながらの言葉だ。
つまり、彼は私に恥をかかせたいだけなのだ。
スカートの下から縦横無尽に手が伸びてきて、ぐっしょりと濡れたパンツごと下半身を撫で回されているというのに……一歩も動けないでいる人妻。
そんな自分を、しっかりと認識しろ──。分からないのなら僕が口で説明してやる──。
そういう狙いがあるのだろう。
「ん……あああ……そ、そこは……」
「んー? ココがどうかしました? ココ」
「くふっ……」
パンツの上からだが、後ろの穴を人差し指で突付かれる。
すでに湿っているパンツは肛門の入り口に張り付いて気持ちが悪い。乾いた布なら、もう少しマシな刺激だったろうに……。今では男に、生の尻穴を突付かれているのとそう変わらない快感が湧き出していた。
「人妻のケツ穴ですね。ここから汚い物をひり出すんですよね。奥さんみたいな美しくてエロい人妻でも……」
「や、やめて……」
ぐりぐりぐりぐり。
湿ったパンツごと、指が汚穴に入ってくる。
「うあ……ああ、あ……」
「どうなんです? ご主人に、ココ、ほじってもらってます?」
「い、いひぃ……」
六車の太い指が、関節一つぶん、直腸内に入ってしまっている。
「そ、そんなこと……するわけ……な、はぁっ……」
「そうですか。それは残念でしたね。ではこれからは僕がうんとほじくり回してあげますよ。たまんないでしょ? 恥かしくて、気持ちよくて、ねぇ奥さん……ケツ穴。イイでしょ? すごくイイでしょ?」
「い、いいわけが……な、ないでしょッ……んんん」
「ふふ、まぁ、ココが威力を発揮するのは挿入してからですけどね。前の穴にチンポハメハメしながら、ここを指でほじくるんですよ。グリグリグリグリね。そしたら奥さん、きっと気持ちよさのあまり号泣しちゃいますから。ふふ、僕が保障します。じゃあ、後で試してあげましょうか。やって欲しくなったら言ってください。前後の穴を同時にズプズプして気持ちよくイカせてあげますから」
「へ、変態……」
歯を食いしばり、男を睨みつける。が、彼は全く気にした風もなかった。
替わりに、今度は両手が上半身にまで伸びてくる。
汗で肌に張り付いたブラウス。前のボタンをいくつか外されて、その間から手を差し込まれてしまう。
「うふう……」
汗ばんだ胸元に、お腹に、わき腹に、そしてブラウスの後ろから侵入したもう一つの手で、背中一面をも撫で回される。
ネチネチと生温かい汗を丹念に伸ばし、練り込み、マッサージしてくる彼。
「奥さんの身体、最高ですね。大人の女性の色気がムンムンですよ。肉付きがいい上に肌がトロけるように柔らかい。なのに、決して太っている訳ではない。しっかりとデキ上がった理想的なオトナの女体だ……。ふふ、息を吸い込めばほら、アバラも浮いてきます。お腹も背中もイイ感じに引き締まって……ああ、すばらしいじゃないですか」
嫌な汗をかき過ぎて、まるでローションプレイみたい。
男の無骨な手は、本来ならザラザラとして不快だろうに……今はヌメヌメと滑りがよくて。不覚にも気持ちがイイものだと、身体が勘違いをしてしまっている。
「……んふっ……」
「こんなに身体中撫で回されて……奥さん、大丈夫ですか? ご主人に怒られませんか?」
「い、いや……やめて、夫のことは……あ、はぁ」
「ご主人の話はしないで欲しいですか? 今は僕だけのことを考えていたいと?」
「ち、違うっ」
「可愛いですね奥さん。大丈夫ですよ。すぐに、どうやったって僕のことだけしか考えられないようにしてあげますから。ご主人の顔も名前も、思い出せないぐらいに気持ちよくしてあげます。いひひひひひ」
「っ……あっ、んっ……い、いやぁ……」
首に生温かいものが押し当てられたかと思えば、それは男の唾液まみれの舌だった。
背骨の上のところから、うなじに掛けて一直線にネロンと舐め上げられる。
お湯のような熱さを感じ、私は身体を撫で回されたままで、ビクンと女の反応を見せてしまう。
「あああ……ああああ……」
首は後ろから前まで全部。耳は表も裏も、耳たぶから耳の穴の中まで──徹底してツバを塗り込められてしまう。
鼻の奥に、モテない童貞男の唾液の匂いが充満する。
上半身を手でまさぐられているのだ。じっとしていなければ、感じているのだということがハッキリと伝わってしまう。
だというのに、私は膝をガクつかせ、激しく息を荒げて快楽に打ち震えてしまっていた。
[ 2011/11/29 13:38 ]
淫虫症の女 |
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