やがて、老人に生ぬるいシャワーで全身の泡を丁寧に落としてもらい、羞恥の時間は終わった。──終わったと思った。
私は息を荒げてぐったりと椅子に座っていた。
いくらお湯で洗い流しても、奥から奥から愛液が溢れてくるせいで私のアソコはネトネトのままだ。
こんなにも丁寧な前戯はされたことがなかった。そう思えるほどに、身体は芯から火照っている。
お風呂だといっても、公衆の面前なのだ。十人以上の見知らぬ男性がいまだに自分のことを見つめてくる。なのに私は完全に“女”にされてしまっていた。
もしも一人でいれば、絶対に我慢できず股間に指を這わせてしまっていたはずだ。それほどまでに興奮していた。
アソコを激しく刺激したいという強烈な衝動に駆られてしまう。
私は口を半開きにして、トロけた目で、ろくに考えることもできずにぼうっとしていた。
そしてその時になってようやく、隣に座っている先生が私の方に向き直った。
力の入らない私の身体に手を置き、
「洗い終わりましたか。……では、お風呂場ですし、ちょうどいいので──邪魔な毛は剃ってしまいましょうか」
そう言った。
私はぼんやりと先生の顔を眺めた。
何を言われたのか、よく分からなかったのだ。
だが、先生がどこから取り出したのか──カミソリとシェービングクリームを手にしているのを見て、ようやく自分が何をされようとしているのかを理解した。
「えっ、なに──」
思わず椅子から立ち上がろうとする。
が、少し腰を浮かしたところで、がっちりと肩を掴まれて椅子に座らされた。身体を洗ってくれていた老人が、上から力強く私の肩を押さえつけている。
しかもそれだけではなく、彼と先生は二人して私の身体の向きを変えにかかったのだ。
「あのっ、ちょ──」
戸惑っている間にも、二人はぴったりと呼吸を合わせて椅子の向きを反転させてしまった。
「ひっ──」
温泉に漬かっている十人ほどの男性たち、彼らの方に身体の正面を向けた格好。
さらにそれだけでは飽き足りず、二人は左右から私の足をその胸に抱え込むのだった。
「い……いやぁっ……!」
両手で顔を覆いたかったが、後ろにバランスを崩してそれもできなかった。
椅子の後ろに両手をついてなんとか後頭部から倒れ込むのを防ぐ。しかしそのせいで、男性たちが好奇の視線を送ってくるその方向に足を百八十度近く広げた姿になってしまう。
老人に洗われた私のアソコが、ぱっくりと全員の目に晒された。
お尻の穴の方にまで恥ずかしい汁が垂れている女の秘部に、たくさんの視線が集中する。
二人の男は膝ごとがっちりと抱え込み、私を固定している。
どれだけ足に力を入れてもその拘束はビクともしない。
「いやっ、せんせっ、やめてっ──」
抵抗したいのだが、方法がなかった。後ろの床についている手を離せば、後頭部が地面に落ちてしまうのだから。
先生は私の洗いたての生足を器用にわきの下に挟み込み、両手を自由に使えるようにした。
手にたっぷりとクリームを出して、それを股間になすりつけてくる。
「あっ、先生っ! ダメです! 帰ったら夫に何て言えばいいんですか!」
私がそう言って止めようとすると、彼は厳しい口調で言うのだった。
「検査のため、看護師に剃られたとでも言っておけばいいでしょう。まあ、私に剃られたと本当のことを言ってもいいんですがね。好きにしてくださいよ、そんなこと」
「そ、そんなことって──、あんっ!」
お湯に漬かっている十数人が全員、まっすぐにこちらを見つめてくる。
そんな中、私は裸で両足を拘束され、アソコを丸出しにしてどうすることもできずにいたのだ。
先生の手がクリトリスを刺激してきても、アソコのびらびらをこねくり回してきても、足の肉をピクピクとさせて悶えることしかできない。
「いいですか、絶対に動かないでくださいよ。動けば大切なアソコが切れてしまいますから」
彼はカミソリを握り締め、私の花弁に手を添えてくる。
緊張と恐怖と羞恥、様々な感情に激しく心を弄ばれ──それでも必死で下半身だけは動かさないように努めた。
血が出たりしたら、それこそ夫に何といって説明すればいいのか分からなくなってしまう。
私はじっと耐えた。耐えるしかなかった。
先生がアソコにたっぷりとクリームを塗りたくり、カミソリの刃を当ててくる。
ジョリ……ジョリ……。
先生が手を動かすと、少しずつ少しずつ──毛が削ぎ落とされていった。
彼は三度ほど私の柔肌を刃で撫でると、ちゃぷちゃぷとそれを洗い、切れた毛をお湯に流してはまた刃を当ててくる。
何度も何度もそんなことを繰り返して、徐々に私のアソコはつるつるになっていった。
「っ……」
目をつぶり、ぐっと歯を食いしばって泣きたい気持ちを抑え込む。
まぶたを閉じてもその裏側に、十数人の男性が興奮した目つきでこちらを見ている様子が浮かび上がってきてしまう。
彼らはじっと、私の股間から毛がなくなっていくのを見つめている。誰一人として遠慮というものがなく、ショーを楽しむかのようにまじまじと凝視してくる。
異常すぎる光景だろうに、誰も怪訝に思う素振りすら見せない。まるで慣れ親しんだことのように、騒ぎも戸惑いもせずに成り行きを見守っている。
──先生はここに二十人以上も連れ込んだと言っていた……。
他の女性たちも、こんなことをされたのだろうか。
そして彼らは、こういう光景を何度も目にしたのだろうか……。
──ああ、もしそうだとすれば……。今この場にいる人間の中で、私だけがこんなにも恥ずかしい思いをして、死にたくなるほどに戸惑っているのだ……。
ジョリ……ジョリ……。
先生が私の陰唇に手を添えて、横の毛まで剃っていく。
恥ずかしいことに、お尻の穴の方まで刃をあてがわれてしまった。
そんなところにまで毛が生えていたのだろうかと不安になった。
そして──。
やがて先生は、満足げにカミソリを置いた。
老人が、用意していたお湯でアソコに残ったクリームを洗い流してくれる。
じゃばじゃばとお湯をかけられて、毛の一本もない──まるで子供のようなつるつるのアソコが白日の下に晒されてしまった。
「ふふふ、キレイになりましたね。少女のようなおマンコですよ。ほら、せっかくですから皆さんにもよく見てもらいましょう」
「あ……いやぁ……」
またしても二人は私の足をしっかりと抱え込み、完成作品でも見せるかのように股間を広げるのだった。
遠目にも、男性たちが目を血走らせて鼻息を荒げているのがよく分かった。
完全に興奮しきっており、私のことを性の対象として見ている様子である。
ただ見せているだけでは物足りなくなったのか、先生が剃りたての肌に指を沿わせてきた。
剃り残しがないか確認するように、下腹部からクリトリスの周辺、そして膣口の脇、さらには肛門の周りまで──キレイに剃り上げられた恥ずかしい部分に、強く指をこすりつけてくる。
「くふっ……」
羞恥なのか興奮なのか、もう心の中もぐちゃぐちゃになって訳が分からなくなっていた。
が、身体は正直──なのだろうか。私のアソコからはドクドクと透明な液体が流れ出し、お尻の方にまで──どころか、床の上にまで粘り気のある糸を垂らしている始末だった。
先生がお尻の穴に溜まっている粘液を指ですくい、それを私のアソコに戻した。
つまり、愛液でベタベタになった指を膣の中に挿入してきたのだ。
じゅぷ……。
「ふあっ……はあっ……」
こんな異常な状態で、極度に興奮させられていた私は──たった指二本だけだというのに、全身をくねらせてあられもなくよがってしまった。
下手をすれば夫にペニスを挿入された時よりもいやらしい反応をしてしまっていたかもしれない。
裸で身悶える私がたまらなかったのだろうか、片足を抱えていた老人がそのまま首を伸ばして乳首に吸い付いてきた。
「あふっ……んあっ……」
ちゅぱっ……、ちゅ……。
彼は口をすぼめて、チュッチュッと先っぽを吸引してくる。彼の口の中で乳首の先が伸びる。
歯で甘く噛まれ一番敏感な先端部分を舌先で転がされると、鋭い快感が電気のように身体中を駆け巡った。
「んあっ……やはあっ……!」
私はたまらなく声を上げ、腰をガクガクと揺り動かしてしまう。
太もも、お腹、わき腹、無防備な場所の筋肉がピクピクと震え始める。
一方の先生は、じゅぶじゅぶと遠慮のない指使いを継続していた。
つるつるになった土手の感触を手のひらで味わいつつ、もう片方の手を使ってお尻の穴にまで指を挿し込みながら私の股間を責め立ててくる。
膣に二本、肛門にも一本指を入れられていた。どちらも根元までしっかりと挿し込まれている。
こんな状態でさらに激しく中をかき混ぜられたら、絶対におかしくなってしまう。
私がそう思った次の瞬間、やはり先生は予想を裏切ることなく──指を折り曲げ、腕ごと激しく動かし始めたのだった。
ジュブジュブジュブジュブ!
「ああんっ! ああんっ! ああんっ!」
老人に背中を支えられて、痛いほどきつく乳首を噛まれながら──ペニスで膣を突かれているかのような反応を見せてしまう。
知らない人たちに観察されているのだから、破廉恥な感じ方をしてはいけない。そう思っていたのもまったくの無駄だった。
気持ちのよさに、心も身体も抵抗できない。
私はつるつるのおマンコを広げながら、大開脚した下半身を揺り動かした。
ぐじゅぐじゅと二穴をかき回す先生の指に合わせて、激しく腰をガクつかせる。
「あんんっ! んああっ!」
口からはもう、叫びに近い喘ぎ声しか出ていない。
恥ずかしいから止めたいのに、愛液の分泌が収まらない。
先生に手のひらを叩きつけられるたび、ビチャビチャと潮のような飛沫が飛び散る。
「くはああっ! あっはああっ!」
何だこれ──。こんなのもう、完全に公開セックスじゃない──。
「あふあっ! ああああっ! ダメッ! せんせっ! もうっ……! ううぅぅッ……!」
イッちゃう──。
「んふううううぅぅッ……!」
ビクンビクン!
私の身体が、筋力以上の力で痙攣する。椅子の上で尻が跳ねる。
老人が暴れる身体の右半分を、先生が左半分を力ずくで押さえにかかる。
二人の全裸男性にがっしりと身体を抱きしめられたまま、無駄毛の一本もないつるつるの裸体をビクビクと痙攣させて絶頂に達した。
大きく首を後ろに反らし、焦点の合わない目で霞む青空を眺めながら何度も何度も身を震わせる。
「あおおお……、あふうぅぅ……」
口からは快楽の吐息を、股間からは女の汁を垂れ流しにして、いつまでも余韻に浸る。
そんな状態だったから、私はしばらくのあいだ気付くことができなかったのだ。
温泉に漬かっている男性たちが全員、ペニスを勃起させて──なおかつそれらを激しくしごき立てていたことに……。