帰りはマンションの入口のところまで彼が見送りに来てくれた。
近所の人に目撃されるかもしれない……そんな考えも少し頭をよぎったけれど、彼が口を近づけてきてくれたらもうどうでもよくなった。
自分も口を半開きにして舌を伸ばす。
「……んふ……ちゅく……んんん……」
シャワーを浴び終わって、さっぱりした身体をぎゅうっと抱きしめられた。
今日一日の満足と、そしてまた次に会うまでの期待を込めて──舌を押し付け合って強いキスをする。
本当なら帰したくはない……。彼のそんな気持ちまで伝わってきそうな情熱的な接吻。
奈々子は思う。
毎日毎日義父に犯されても、この人がいてくれるのなら自分が狂ってしまうこともないだろうと。
どんなに恥ずかしくて屈辱的で、気持ちのいいセックスをされても──またこの人に会いに来れば自分は正常に戻れるのだ。
この人がいてくれさえすれば、義父に心まで支配されてしまうことはない。
この人さえいれば──。
「……んむ……むふ……ん……ぷはあっ……」
外はもう真っ暗。口を離すと蛍光灯の下、唇がテカっていた。
別れ際、「愛してる」だの「旦那が帰ってきても通う」だのと言っている時、奈々子はふと首もとの違和感に気がついた。胸元を手で押える。
「あれ、どっかにネックレス忘れてきたかも……」
「え? マジで? どこ? お風呂? 取りに戻ろうか?」
「あ、いいよいいよ。どうせまたすぐ来るんだから」
義父からプレゼントされたものだった。
誕生石のガーネットを埋め込んだ、星型の飾りのついたネックレス。
まるで彼女扱いされているようで、奈々子としても別に気に入っているものではない。
最悪、なくしたとでも言っておけばいいのだから、わざわざ取りに戻ってもらう必要もない。
「うん。じゃあ次来るまでに探しておくよ」
「ん。ありがと」
最後にもう一度キスして、おもむろにしゃがみこみ、彼のズボンの中の「息子さん」にも布ごしにキス。
彼が笑って手を振ってくれる。
奈々子は何度も振り返りながら、彼に見送られては家路についた。
玄関のドアを開けたのは、日付が変わってからだった。
義父にはお風呂に入って先に寝ていてもらいたかった。
が、やっぱり彼は自分の帰りを待っていた。
Tシャツにパンツ一枚でソファーに座ってテレビを見ている。
「……お、遅くなりました……」
絶対に文句を言われるに決まっている。
奈々子はできるだけ目を合わさないようにして、お風呂場に駆け込んだ。
義父が乱入してくるまでにシャワーを浴びたかった。
男の匂いがするとか、どこかでシャワーを浴びてきたのかと聞かれるのが嫌だったから。
急いで服を脱ぎ、裸になってお風呂に入る。
山根くんの家でシャワーを浴びた時には髪の毛までは濡らさなかった。奈々子は頭からお湯をかぶって、義父に抱きつかれても匂いがバレないようにする。
お風呂場のドア向こうから義父が声をかけてくる。
さすがにもう一度水に濡れるのは面倒なのか、中までは入ってこない。
彼がドア越しに声をかけてきた。
「奈々子よ、どこへ行っとったんじゃ。あんまりにも帰って来んから、心配してもうたじゃろが」
「お、女友達のところに行くって言っておいたじゃありませんか……」
「それにしても遅いじゃろ。こんなに遅うなるなら、電話の一本ぐらいよこさんかい」
「す、すみません……。今度からは、気をつけます……」
静かだが確かに怒りをはらんでいる彼の声。
奈々子はゾッとしながらも、何とかごまかし続けた。
シャワーの水流で、アソコの中までしっかり洗う。万が一にでも浮気をしているのがバレてしまえば大変なことになる。
自分もそうだが、相手にもどんな被害が及ぶか分からない。この変態老人は、性欲だけではなくその人格までもが最低最悪なのだ。
「ほな、風呂から上がったら身体も拭かんとそのまま出て来い。今日はお前にプレゼントしようと思っとたモンがあるんじゃ」
「……はぃ……」
消え入りそうな声で答える。
仕方ないことだ。何といっても義父には大量のビデオを握られているのだから。これから先もずっと、彼の命令は聞いていかなくてはならない。
でも……。
山根くんに出会えて、全てを打ち明けることができた今──自分は昨日までのような弱い女ではなくなったのだ。
きっとどんな仕打ちをこの身に浴びても、どんなによがり狂わされても、耐えていける。
どうしようもなくなれば、また彼のところへ行って、思いっきり泣けばいい。
その後しっかり愛されて、イカされて、嫌なことは忘れればいい。
「……うん、大丈夫……」
奈々子は決意に唇を結び、シャワーと止めて風呂場を後にした。
水を吸ってピチピチになった肌を言いつけ通り拭きもしない。
そのまま全身から水を滴らせては義父の待つリビングへと裸足で向かう。
「今日はこれをプレゼントしようと思っとったんじゃ……」
そう言って一雄は、リビングのど真ん中に置かれていた物体をポンポンと手で叩いた。
「──っ!」
それを見た奈々子は、身体中の肌に水滴を浮かべたまま身をすくめ、小さく悲鳴を漏らした。
当然の反応。床の上にどかんと設置されているのは、まぎれもなく「ロデオマシーン」というものだった。
通販番組で見たことがある。主にダイエットを目的として作られた健康器具。電動で前後、左右、上下に複雑な動きをして、座っている人間に激しい運動効果をもたらす。
主に主婦層に人気で、もう日本で何十万台も売れている人気商品である。
しかも義父特製のロデオマシーンなのだ。もちろんそれだけでは終わらない。
おそらく奈々子のいない間に一人で改造していたのだろう──座席の中央部には巨大な黒バイブがガッチリと固定されていて、シートとともに照明の光をいやらしく反射している。
こうなるともはや健康器具などではなく、ただのセックスマシーン。いや、女をいたぶるための拷問器具と言った方がいいだろう。
奈々子はおぞましさのあまり、両腕で自分の身体を抱きしめた。
風呂上りでピチピチと張りのある若妻の肢体に、鳥肌が立っている。
「ククク、どうじゃ……エロいじゃろう……。ほうら、スイッチを入れるぞぉ……よう見とれよ……」
青ざめる彼女にも構わず、一雄は二つの小さなリモコンを操作して──この拷問器具がどのように女体をなぶり殺すかを見せつけるのだった。
グイングイングイン……。
ブーブーブー……。
シートだけが可愛らしく動くのではなかった。根元の部分までもが何段階にも折れ曲がり、一段目は上下に、二段目は前後に、そして三段目は左右に──激しく動いている。
おかげで実際に座ることになる一番上の部分は様々な角度で不規則かつ立体的な動きを見せていた。
中央、ちょうど女の秘部が当たる場所には、巨大なバイブがそそり立っている。
実際のモノとは違い、決して萎えることのないその巨根。こちらもテラテラと光る黒い亀頭部分を三百六十度ぐりんぐりんと振り回しては奈々子の不安を掻き立ててくるのだった。
「……あ……あ……」
ムッチリとした若々しい太ももをこすりつけ、奈々子は恐怖に震えた。濡れそぼった髪が、顔の横や首筋にまで張り付いている。
まだポタポタと水を滴らせながらも、奈々子は後ろ手に手錠をかけられてしまう。
義父に強く肩を抱かれて、ロデオマシーンの前へと連れて行かれる。
「……あ、お、お義父さま……あの、そのっ……」
この状況を回避するいい口実が何かないかと頭をひねるが、混乱した脳みそは真っ白に染まっていた。下手な嘘すら出てこない。
「……や……あ……」
けれどその時だった。
彼女の脳裏に、一人の男性の姿が浮かんできた。
山根くん。さっき会って愛情を確かめ、身も心も所有されるという約束を交わした元同級生。
彼が頭の中で語りかけてくる。
「──雨宮の心も身体も、全部俺のモノだから。大丈夫。どんなことになっても全部俺が所有しててやるから──」
奈々子はハッと我に返った。
そうなのだ。自分は山根くんの女なのだ。
彼という絶対的な所有者がいる。いてくれるのだ。
こんなオモチャごときに何を怖がる必要があろうか──。
唇を結び、目に光を取り戻した奈々子は、その一瞬で耐え切る覚悟を決めた。
「ヒヒヒ、股を広げて……そうじゃ……。このぶっといモンをくわえ込んで……そう……」
義父に身体を支えられながら、マシンにまたがる。
メリメリと巨根が膣をかき分けて子宮をえぐり込んでくる。明らかにオーバーサイズ。
騎乗位なのだから、もしかしてこれはこのまま最初から最後までずっと子宮を押し潰されたままなのではないのか──。
腰を浮かせなければ、決して逃げられない。
そしていま自分は、両腕を背中に回して手首に手錠をかけられているのだ。
両足は床につま先がつくかどうかという状況。どうあがいても腰を浮かすことなんて無理な訳で──。
「……くっ……あはっ……」
なるほど、そういうことか……。
義父のやりたかったこと。それはこのまま子宮を強く圧迫した状態で──さらにロデオの複雑な動きを浴びせてどんな反応をするのか見てやろうというのだ。
まさに子宮責め。
女の一番弱い部分、最も強烈に快感を垂れ流す部分を延々とイジメ抜いてその姿に興奮しようという狙いなのだ。
「……んふっ……ふううぅ……」
まだロデオもバイブも動いてはいない。
それなのに奈々子はすでにアソコから大量の愛液を漏らして、風呂上りの裸体を艶めかしく揺り動かしていた。
大股を広げてマシンに座っている奈々子の太ももを撫で回しながら、一雄は彼女の唇を奪った。
唾液をたっぷりと滴らせたいやらしいキスをして、垂れた唾液を胸元に塗り込めてくる。
「……ふぅ……く……」
たわわに実ったおっぱいも、臭い唾液で全部ヌルヌルにされてしまう。まるでローションでもまぶしたかのように光り輝く二つの張りを、醜い手で自由自在に揉み込まれる。
三十分──。
結局そのままで三十分ものあいだ、奈々子はいつスイッチを入れられるのだろうという恐怖の中で身体中を揉まれ、舐められ、汚されてしまった。
「……んはぁ……はぁ……んんん……」
性感も十分に高められてしまっている。若妻は頬を染めて、火照った身体から湧き起こる快楽に涎を垂らして身悶えていた。
[ 2011/12/05 00:41 ]
義父の肉欲 |
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