そしてまた男が部屋に入ってくる。
私はもう、背に腹はかえられないと思った。
目の前にいるこの男は、私のような小娘の常識が通用しない本物の悪魔である可能性が高いのだ。
私が意地を張って限界まで耐えたとしても、その姿を見て情けをかけてくれるような相手ではないのかもしれないのだ。
そうだ。思い出せ。
私は何のためにここに来た?
私はこの悪魔を殺すためにここにいるのだ。その私がこんなにお腹を空かせて、死にそうになっていてどうする。
こんなことで、お姉ちゃんのカタキが取れるか──。
そう、とにかく、食べないことには。命を繋がないことには。これは、仕方のないこと……。
私は覚悟を決めて口を開いた。
「……食べ……させて……」
下を向いて弁当を食べていた男が、顔を上げた。
私の目をみて、ニヤリといやらしい笑みを浮かべる。
「ほう、やっとか。ワシの噛んだ奴を口移しやけど……それでもええんやな?」
歯を食いしばってうなずく。
(仕方ないんだ……)
自分に言い聞かせる。
──そう、こんなことぐらい、どうってことない。目的を果たすためなら、我慢すべきこと。その一つでしかないのだ。
「ほな、食わしたる……。そのかわり、犯しながらな……。ぐへへ、俺、口移しで食わせるん大好きでな……。めちゃくちゃ興奮してまうんや……。チンポが我慢できへんからなあ。美由紀ぃ……ワシと一つに合体しながら、一緒に仲良くメシ食おや……」
「……」
──大丈夫、きっと耐えられる。
男に股間をいじられて、私はあっけなく濡らしてしまった。
おへそにまで届こうかというほどにそそり立ったペニスを、ぬるりと差し込まれる。
きつく目を閉じて耐えようとしていたのに、
「……くはぁ……あああっ」
やはりあまりにも強烈すぎる生殖行為の快感。
思わず悩ましい声を漏らし、身体をくねらせて気持ちのよさに悶えてしまう。
子供のころから褒められて自慢だった長い手足。それが今は、ペニスによって送り込まれる快感にいやらしく反応するだけの飾りと化している。
第三者から見れば、男性の味を全身で浴するはしたない女にしか見えないだろう。
「……んはぁ……」
男はゆっくりと腰を動かしはじめる。それに合わせて私の腰も無意識のうちに動く。
結合部からにちゃにちゃという音が漏れる。
仲のよい二人の男女が立てるべきであろうその音を、こんな男と立てている。顔が熱くなるほどの屈辱。
が、そんな内心とは裏腹に──私はあられもなく反応してしまう身体を制御することができずにいた。
円を描いて揺れる腰まわりに、とろけてしまいそうなほどの恍惚感が満ちていく。
「あんっ」
お腹がすいたことに気を取られてはいたが、ここしばらく掻いてもらっていなかったのだ。
クスリで高められた性欲は、溜まりに溜まっていた。だから、仕方がないといえば仕方がないことだった。
「あっはっ……くぁ……あ……」
男は両手も使わずに、腰だけを器用に前後左右に振る。
彼の長大なペニスはちょっとやそっとのことでは全部抜けたりすることはなかった。
私がどんなに腰を振ってペニスが出そうになっても、その瞬間カウンターを当てるようにして下半身を突き出す。するとまた子宮近くにまで亀頭が埋まってしまう、その繰り返し。
そして彼は左手に弁当を持ち、右手で箸を動かして中身を自分の口に運ぶ。
犯している女の表情を確かめながら、むしゃむしゃと咀嚼する。
そして──。
「ほれ、食わしたるで……口……」
言われるがままに、アゴを上げて唇を薄く開いた。
男のすぼめた口が強引に私の唇を押し広げて、
「んんぁ……」
すぐにディープキスをしている格好になる。
彼はそのまま器用に舌で──口内の半固形物をこちらに押し込んでくる。
半分は唾液で、半分は食べ物……そんな気味の悪い固まりを舌の上に乗せられてしまう。
強烈な不快感に襲われる。全身が粟立つ。
そんな私の身体を、彼は先走り汁を垂らしたペニスで突いた。膣内で彼のモノが膨れあがっているのが分かる。
(──何これ……興奮してる?)
男は凶悪なまでに欲情した目つきで、私の口元に視線を落としていた。
(本当に、こういうことが好きなんだ……男の人にとっては、そんなに嬉しいことなのかな……それともコイツが変態だから?)
私は正面からペニスに犯されながら、男の唾液にまみれたぐちゃぐちゃの食べ物を咀嚼した。
噛ませたいのか、彼は中途半端に咀嚼したものしか送り込んでこなかった。そのままでは飲み込むことができないぐらいのところで、噛むのをやめて押し込んでくる。
だから私は仕方なく気持ちの悪い──食べ物というよりは汚物に近いものを──ぐちゃぐちゃと奥歯で潰すしかない。
汚物とともに、口の中全体に男のツバの味が広がる。
こくりと喉をならして嚥下すると、汚物とともに男のツバが食道を通って胃に落ちる。
そんな私の姿を見て興奮した彼は、さらにペニスを硬くして膣を責め立ててくる。
「……んくっ──んはぁっ! やはぁっ!」
上の口からは唾液まみれの汚物を、下の口からは雄汁まみれのペニスを体内に送り込まれる。
「はぁはぁはぁ……あああ……興奮するな、これ。どうや? ワシこれ大好きやねん……。ワシがぐちゃぐちゃに噛んだやつがどんどん美由紀の身体に入っていくなあ……。あああ……もっといっぱい食べさしたるからな……全部飲み込んでや……。あああ、いい子やなあ、かわいいなあ……はぁはぁ……」
男はわざと唾液を溜めて、その中で食べ物を咀嚼した。
こんな大量には受け取れないというほどのツバを流し込んでくる。
二人の唇が離れると、唾液の糸が何本も橋となって架かった。
あまりにも異常なプレイ。私は頭がおかしくなりそうだった。
[ 2012/01/09 12:49 ]
姉のカタキは女殺し |
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